maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

スライド映写会

河口湖からの富士 2021年1月30日 1961年、高校3年生の僕が、アメリカの留学先で、先生たちと同級生に、スライドで日本を紹介した夕べの話です。 ここ、全寮制男子校、グロトン・スクールは、キャンパスの外に、広大な森と湖を有しており、その中に結婚…

トイレ

大学時代、人文地理が専門のN先生は、ゼミナールでトイレの研究をしていました。 先生と学生たちは、当時(1963年)の、機関車が引っ張る列車に乗り込み、窓側に座った人が、窓を開けると、前方から飛んでくるトイレの排泄物の飛沫を、どれだけかぶるか、とい…

葬式

クリスチャンになって良かったと思うことの1つに、「葬式」があります。 クリスチャンといっても、大きく分けて、カトリックとプロテスタントがあり、僕はプロテスタントの方です。 プロテスタントの葬式は、教会で行われ、通常、牧師はじめ、出席者の多く…

大阪

「そんなに先のことは、お約束できません」 取引先の社長秘書(男性)に、こう言われてしまいました。 東京のビジネスマン、特に、役員クラスは、6ヶ月先の大阪訪問を計画し、取引先のアポイントを取ります。 大阪支社にいた僕は、前述の社長秘書に、〇月〇日…

アメリカ

アメリカと日本の「国力」をひと言でいえば、「新幹線」と「ローカル線」でしょう。もちろん、アメリカが新幹線です。それは何故でしょうか。 第1に、生きるための資源です。日本は、食糧を「自給」できません。半分以上を輸入に頼っています。石油もほぼ全…

ラスト・ラン

競馬は美しいです。 馬体が美しく光り、騎手の勝負服が色鮮やかです。 スタートし、向こう正面にかかると、馬たちは、走るというより、楽しそうに飛び跳ねます。それに蹄の音が加わり、実に躍動的です。 この美しさ、躍動感は、テレビでは1パーセントも伝わ…

日本を愛したアメリカ人

日本を大好きになってしまう外国人がいます。 日本の、自然と文化に惹かれるのでしょう。 銀閣に行くと、日本の自然、歴史、文化の虜になってしまいます。 そんな1人に、ドナルド・キーンさんがいます。 キーンさんは、コロンビア大学で、日本人教授のもと…

日本海がなくなる

Aさんの話は、まだ終わりません。 先ほどから、Aさんひとりで話を独占し、30分以上、話し続けています。 これは、僕の商社マンとしての経験談です。 上司の鉄鋼部長と僕は、あるオーストラリアの客と商談をする「筈」でした。ところが、偶然居合わせた、…

あと5ドル

「あと、トン当たり5ドル、値引きしてください。」 「いや〜、社長、これ以上は無理です。」 これは、韓国の社長さんが、商社マンである僕に、 値引きを迫ったシーンである。 「日本は、朝鮮戦争のお陰で、戦後復興できたんですよ。我々は、北朝鮮軍によって…

チャペルはどこ?

1台のバスが、静かに止まります。タテ1列に並んだ、高校3年生の僕たちは、期待で胸が高鳴ります。 ドアが開き、パーティ・ドレスに着飾った女性たちが、次々と降りてきて、僕たちの列の先頭と手をつなぎ、その夕のカップルが誕生していく。これが、グロト…

気の抜けたビール

2020年某日、夕方5時頃、相撲を見ようと、テレビをつけたら、観客がいないので、まだ「幕下」あたりかと思いました。しかし、5時なのでそんな筈はありません。コロナ・ウィルス感染を防ぐための、観客のいない本場所でした。 幕内上位力士が真剣勝負してい…

94点

2020年4月15日、警察の免許センターで、75歳以上が対象の「認知機能検査」を受けてきました。 結果は、100点満点中、94点でした。合格ラインは76点です。 内訳 17点:今日の年月日、曜日、現在時刻を書く。 56点:16種類のイラストを…

早慶戦

世にいう、「最後の早慶戦」。 学徒出陣を前に、学生たちに贈った、壮行試合です。 万感の思いを胸に、小泉信三、慶應義塾塾長は、学生席に座りました。 1943年10月16日、太平洋戦争の最中です。今日の試合までこぎ着けるのは大変でした。 東京六大…

万年筆

手紙を書くには、やはり万年筆が良いです。 小学生のときは画ペンを使い、中学・高校はパイロット万年筆、大学はパーカー、社会人になってからは、シェーファーです。 シェーファーは2本持っており、そのうち1本は中字用で健在です。一方、細字用は、20…

ホウセンカ

僕が小学校6年生のときに書いた作文が出てきたので、ご紹介します。 段落と句読点は、読みやすいように、手を加えました。あとは原文のままです。意味不明が1カ所あります。 「ほうせんか」 「すでに初秋である。ぶらんこの下にも、学校園の(?)にもほう…

オイスター・キルパトリック

シドニー駐在員時代に食べた、オイスター・キルパトリック(Oysters Kilpatrick)は、実に美味でした。シドニー湾を見下ろす、あるレストランでは、その料理を看板メニューにしています。伝統的な英国料理のようです。 バーベキューした牡蠣の上に、炒めてから…

トム・ハンクス

先日、トム・ハンクス夫妻が、オーストラリアでコロナ・ウィルスに感染しましたが、2週間の治療により回復し、無事帰国しました。(2020年4月) 今、僕が一番好きな洋画の俳優は、トム・ハンクスです。 これまでに観た彼の映画: 「ハドソン川の奇跡」 (2016)…

次期アメリカ大統領

次期アメリカ大統領はバイデン? 2021年1月20日に、民主党のジョウ・バイデンが第46代アメリカ大統領に就任します。 それまで、あとわずか1週間です。 しかし、それはまだ99パーセントであり、100パーセントではありません。 わずか1パーセ…

アフター・コロナ

小池東京都知事は、昨年、2020年3月25日に続いて行われた記者会見の中で、東京の「感染爆発」を防ぐため、仕事や遊びに出かけるのを「8割」減らして、と都民に求めました。 安倍首相は、「8割削減」なら1ヶ月で終息に向かい、「6割削減」なら、感…

ニューヨーク ヤンキース

1年間の米国留学生活を終え、世界各国からの留学生たちと、バス旅行をしていた僕は、ニュー・ヨークに来ました。そこで家族宛に書いた、1962年6月27日(水)付のAir Letter を58年振りに、なつかしく読み返しています。 ヤンキー・スタジアムで、…

タイプライター

高校1年か2年の頃、2歳上の兄がタイプライターを習っていたので、僕も、兄のテキストを借り、練習しました。その頃は、何でも兄の真似をしていました。 それが、高校3年で米国留学した際、論文を書くのに、大いに役立ちました。 鎌倉駅西口の近く、江ノ…

英国車

一昔前の英国車について語れば、きりがないです。 初めに乗った英国車は、父からお下がりの、黒の「ライレー」(Riley RMA 1951)でした。フェンダーが流線型の、美しい車でした。最も強く印象に残っているのは、なんともいえない良い「匂い」です。昔の本革の…

「ハチ」先生

神奈川県立湘南高校に、「ハチ」というあだ名の、名物先生がいました。 姓は「村田」。名は忘れましたが、あだ名が「ハチ」だから、「八郎」とか、「ハチ」がついた名前だったのでしょう。発音は落語調に「ハチ」です。 「ハチ」は国語と古文の先生で、かの…

絶体絶命

今までに、物理的に絶体絶命のピンチになったことが、2度あります。 1度目は、高校時代、学校の帰りです。近くの駅まで、抜け道を通ったとき、向こうから中学生の不良風なのが、5〜6人やって来ました。寂しいところで、辺りには他に誰もいません。 先頭…

チャーハン

挽肉を良くこね、玉ねぎと人参を混ぜ、パンをちぎって入れ、さらに良くこねる。これを円形にしてフライパンで焼けば、僕のハンバーグが出来上がります。チャーハンも、できます。 この2つ以外にも、料理はできたと思いますが、再婚してからやらないので、忘…

「1割」に入れ

父が僕に遺した言葉は、2つありますが、そのうちの1つが、 「1割」に入れ、です。 学校では成績で、会社では昇進で、同期の上位「1割」に入れと。 ゴルフ・クラブの会員になったら、ハンディキャップ(HCP)で、 クラブの上位「1割」に入れ、ということで…

サー・ウィリアム

かっこ良かったな〜、サー・ウィリアム。 堂々たる体躯と、美しい銀髪の、品格あるビジネスマン。 クラシックなロールス・ロイスが良く似合いました。 1973年、オーストラリア、シドニー。 サー・ウィリアムは、「AGL」という会社の社長で、財界の大物で…

コロナ・ショック

コロナ・ショックのときに、このショート・スピーチ集を書いていることに、何か運命を感じます。 (この文章は2020年4月26日に書いたものです) 先が見えない、不安な日々に、エッセイを通じて、皆さんと何かを共有することができれば、喜びです。 無…

2つのハワイ

ハワイには、2つの顔があります。 ひと言でいえば、「アロハ」と「現実」です。「心」と「お金」、「信頼」と 「裏切り」とも言えます。 正しくは「アロ〜ハ」と言いますが、「こんにちは」「さようなら」です。しかし「アロ〜ハの心」といえば、いわゆる「…

ヤマメ定食

食堂の大きな「いろり」に、ずらりと魚を並べ、おばあちゃんが炭火で焼いています。 ここの「ヤマメ定食」が最高に美味しいです。「アユ」よりも、「マス」よりも、「ヤマメ」が好きです。 ここは、山中湖にほど近い、「道志村」渓流フィッシング・センター…