maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

タイプライター

高校1年か2年の頃、2歳上の兄がタイプライターを習っていたので、僕も、兄のテキストを借り、練習しました。その頃は、何でも兄の真似をしていました。

 

それが、高校3年で米国留学した際、論文を書くのに、大いに役立ちました。

 

  鎌倉駅西口の近く、江ノ電の踏切そばに赤尾耳鼻科があり、その向かいにかつて、タイピスト学院がありました。兄が、そこに通っていたのです。

 

  留学するとき、ポータブル・タイプライターを買ってもらいました。

 

  1年間の留学でしたが、論文の提出が多く、タイプライターは必需品でした。余談になりますが、最近、当時書いた論文を読み返すと、哲学や文学の論文などは、今では忘れた、難しい英語をたくさん使っています。若いということはすごいと、痛感します。

 

  さて、話を戻し、当時のタイプライターは、文字キーを指で、力強く打たないと、きちんと印字されませんでした。左手小指で打つ「A」は特に力が要り、また左手人差し指で打つ「B」は、キーが離れているので難しかったです。

 

  当時、横浜の山下町にあった、米国領事館に、留学生用のVISAをもらいに行ったとき、タイプライターをたたく日本人の男性職員が、目にもとまらぬ速さで、僕のパスポートに文字を打ち込んでいったのが、今でも目に浮かびます。

 

  その後、IBMから電動タイプライターが出ました。これは革命的でした。

電動なので、文字キーに軽くタッチするだけで印字できます。活字は丸い「ゴルフ・ボール」についており、ボールが回転しながら、字を打ち込みます。

 

  打ち間違えても、「消しゴム」キーを打って、打ち直せるので、すごく便利でした。

 

  こんなIBMが、パソコン部門を、中国に身売りしたのは、悲しいです。