maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

アメリカ

     アメリカと日本の「国力」をひと言でいえば、「新幹線」と「ローカル線」でしょう。もちろん、アメリカが新幹線です。それは何故でしょうか。

 

   第1に、生きるための資源です。日本は、食糧を「自給」できません。半分以上を輸入に頼っています。石油もほぼ全量、「輸入」です。アメリカは世界一の、食糧と石油の生産国です。

   第2に、「スピード」と「実行力」です。終戦直後、GHQ(占領軍総司令部)は、「2週間」で日本国憲法の草案を作ったといいます。それから70年以上を経た今、憲法は時代に合わなくなっているのに、1つの修正もできません。

   第3に、「正しい」と思ったことを実行する「勇気」です。アメリカはいざというとき、日本のような、「前例主義」、「事なかれ主義」、「忖度主義」は採りません。アメリカの独立戦争を見れば、わかります。結果として、ろくな装備のないアメリカ軍が、精鋭のイギリス軍に勝ちました。

   第4に、「団結力」と「経済力」でしょう。僕が高校3年のときに1年間だけ留学した、ボストン北部の全寮制・私立校は、全校で200人程度の小さなハイスクールですが、毎年、卒業生から、数億円の寄付があり、学校はこの上ない環境に加え、全米から優秀な先生を集め、最高の教育をしているのです。

   先頃(2020年)、アメリカでは、「年収1,500万円」は、「低所得層」だと、日本のテレビが報道しました。僕はそれを見て、心底驚きました。道理で、ハワイのマンションや食料品が高いわけです。ただし、日本人の貯金は、平均1,000万円ですから、この点は、借金天国のアメリカに負けていないと思いますが。

第5に、先端産業です。日本がハンコをたくさんついている間に、アメリカは次々と産業の先端を走ります。無人運転の自動車が、事故で人をひき殺しても、すさまじい勢いで無人自動車を実用化します。

第6に、軍事力です。自衛隊は、陸・海・空、それぞれ最新の装備や武器と、熟練した隊員を有していますが、法律により、「不戦軍隊」です。海外の危険地域に行けず、攻撃されても反撃できません。「何それ?」と思っても、戦後70年以上、ひと言も修正されない憲法のために、戦えない軍隊です。日本人が海外で危機に遭遇し、立ち往生しても、誰も救出にいけません。

1985年、イラン・イラク戦争が始まり、テヘランで立ち往生した200余名の日本人を救出したのは、母国ではなく、トルコの旅客機でした。

 

ですから、日本が、アメリカとの軍事同盟を守るのは当然です。