日本を愛したアメリカ人
日本を大好きになってしまう外国人がいます。
日本の、自然と文化に惹かれるのでしょう。
銀閣に行くと、日本の自然、歴史、文化の虜になってしまいます。
そんな1人に、ドナルド・キーンさんがいます。
キーンさんは、コロンビア大学で、日本人教授のもと、日本文学を学びます。日本文学との初めての出会いは、貧乏学生のキーンさんが、ニューヨークのタイムス・スクエアにある書店で、49セントで買った、「源氏物語」でした。
日本との出会いは、1953年、京都大学大学院への留学でした。
以後、キーンさんはコロンビア大学、ケンブリッジ大学などで日本文学の
研究と教授をしながら、ニューヨークと京都を毎年往復する生活が続きます。
日本の文壇との交流も盛んで、三島由紀夫がキーン宛てに書いた97通の、未公開書簡について、本が出ています。(中公文庫)
2011年、東日本大震災のあと、多くの外国人が日本を去りました。放射能の危険をはじめ、いろいろな理由があったと思います。しかし、2008年に文化勲章を受章していたキーンさんは、まったく正反対の決断をします。
震災のその年に、ニューヨークの住まいを引き払い、日本に帰化した、89歳のアメリカ人がいます。キーンさんです。
キーンさんは、日本文学に関わる、日本語と英語で書いた本を、生涯で
180冊出版し、2019年、96歳で永眠しました。大好きな日本で。