maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

ホウセンカ

僕が小学校6年生のときに書いた作文が出てきたので、ご紹介します。

段落と句読点は、読みやすいように、手を加えました。あとは原文のままです。意味不明が1カ所あります。

 

「ほうせんか」

 

「すでに初秋である。ぶらんこの下にも、学校園の(?)にもほうせんかでいっぱいになっている。

 

だまってその花を見つめていると、はちがとんで来た。花のみつをすうためだったのだろうけれど、はちは花びらを一枚、ひらひらと落としてしまった。

 

はちは、『どうもすみません、ほんとはそんなつもりじゃなかったんです』とでも言うように、ちょっとためらっていたが、すぐとんで行ってしまった。

 

まだじっと見ていると、風がふいて来た。すぐうしろのすすきの葉がササササーといっせいになびく。

 

ちょっと目を下にそらすと、家がわからなくなって、さまよい歩いているのだろうか、一ぴきのありが地面におちている、ほうせんかの葉の上をのぼりのぼり、ちょろちょろと歩いている。

 

ちょっといってはまた止まり、方向をかえて歩いていると、ありはぼくのしゃがんでいる下まで来てとまり、又ひき帰していった。かわいそうにと思って、そっとつまんで、向こうの方にあった穴の中に入れてやった。」

 

自分で言うのもなんですが、小学6年生にしては良く書けています。蜂や蟻を活きいきと描写しており、その気持ちを推し量るところも面白いです。

 

これなら、母親や先生から褒められるでしょう。63年ぶりに読んでみて、「お前けっこう書いたな」、というのが正直な感想です。