maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

サー・ウィリアム

かっこ良かったな〜、サー・ウィリアム。

 

堂々たる体躯と、美しい銀髪の、品格あるビジネスマン。

 

クラシックなロールス・ロイスが良く似合いました。

 

1973年、オーストラリア、シドニー

 

サー・ウィリアムは、「AGL」という会社の社長で、財界の大物でした。

それで、「サー」の称号を与えられたのだと思います

 

AGL、「Australian Gas Light Company」はガス会社です。

 

日本なら、「東京ガス」のような存在です。

 

オーストラリア大陸の内陸部に、天然ガス田があり、

そこからシドニーまで800km、パイプラインを敷いて、

天然ガスを運ぶ計画が進んでいました。

 

僕は、商社のシドニー駐在員として、このパイプライン用に、

大口径の鉄パイプを、日本から供する仕事に携わっていました。

 

当時のオーストラリアは、労働党政権で、賃上げストが猛威をふるって

いました。ストで、ガソリン・スタンドがCLOSEし、困ったものです。

 

AGLの労組も、2ケタの賃上げを要求し、ストを繰り返しました。

 

これに対し、サー・ウィリアムは、敢然と労組を相手に法廷闘争を挑み、

毎朝、その勇姿と、力強い言動が新聞の1面を飾りました。

 

惚れ惚れする、男の中の男、 Sir William Pettingellは、「卿」でした。