気の抜けたビール
2020年某日、夕方5時頃、相撲を見ようと、テレビをつけたら、観客がいないので、まだ「幕下」あたりかと思いました。しかし、5時なのでそんな筈はありません。コロナ・ウィルス感染を防ぐための、観客のいない本場所でした。
幕内上位力士が真剣勝負しているのですが、どうしても「稽古」にしか見えません。観客がいないと、こんなに違うのか。初めての経験です。
同様に、競馬も、観客なしのレースです。まったく盛り上がりません。
相撲も競馬も、観客の「歓声」がいかに大切か、初めてわかりました。それなしでは、「気の抜けた」ビールです。
文章も、読者が観客です。僕は、読んだ人が歓声を上げるような文章を、目指しています。幸い、読みやすい、面白い、一気に読んだ、という評価もいただいています。
人により、実際に声に出して読む人もいるし、頭の中で声を出して読む人も多いと思います。だから文章は「流れる」のが良いです。
説明資料や統計は別です。それでも、見出しをつけたり、箇条書きにしたり、表やグラフにすれば、見る人は助かると思います。
論文も、読み手が途中でつかえて、首をかしげるような文章より、理路整然と、流れるように結論に至る文章のほうが良い筈です。
役所からのお知らせも、マンションの管理組合からの総会報告も、小見出しもなく、要約もなく、細かい字でビッシリ書いてあるのが普通で、読む気になりません。僕だったら、大見出しで注意をひき、中見出しで要旨を1行にまとめ、必要なら、さらに小見出しもつけ、読み手に親切にします。
読みにくい文章が、世の中に溢れています。社会人になるまでに、分かりやすい文章が書けるよう、トレーニングしたら良いと思います。