maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

ニューヨーク ヤンキース

1年間の米国留学生活を終え、世界各国からの留学生たちと、バス旅行をしていた僕は、ニュー・ヨークに来ました。そこで家族宛に書いた、1962年6月27日(水)付のAir Letter を58年振りに、なつかしく読み返しています。

 

  ヤンキー・スタジアムで、大リーグの試合観戦を前に、ヤンキースのスター選手たちと会ったときの様子が書いてあるので、ご紹介します。

 

  「今日は11時半、Woodlawn 駅を出発、約40名で・・・Yankee Stadiumに行きました。僕は昨日AFSの本部で、特別にロッカールームで選手に会うことがゆるされていることをきいていたので、他の3人の留学生と共に・・・さっそく、Mickey MantleやYogi Berra・・・たちと話をしたり、写真をとったり、とられたり、まったくユメかと思いました。・・・Mickeyなんかと握手したときは、まったくいい気持ちだった。ゲームは7―4でYankeesの勝ち、マリスは2 run homer. マントルはヒット3本。・・・もちろん、指定席。・・・相手はミネソタTwins。・・・まあ、こんなことは一生に一度しか来ないな。」

 

  夢のようだったのは当然です。まさに、ヤンキースの黄金時代の選手たちとロッカー・ルームでひとときを過ごすことができたのですから。

 

  文中に出てくる、Mickey Mantle(ミッキー・マントル)は、不動の4番打者、背番号「7」は、永久欠番です。Yogi Berra(ヨギ・ベラ)は、名捕手、背番号「8」はこれも永久欠番です。Roger Maris(ロジャー・マリス)は不動の3番打者、背番号「9」はこれまた永久欠番です。

 

  こんなに有名な選手たちでも、試合前のひとときを留学生と過ごしてくれるのです。欧米のスポーツ選手やエンターテイナーは、どんなに有名でも、気さくにファンや一般の人と接します。それが「務め」と心得ています。

 

  このあと、僕たち留学生を乗せた数十台のバスは、旅を続け、最後にワシントンD.C.に集合し、ケネディ大統領のスピーチを聞くのです。ちなみに、僕は12号車でした。このバス旅行プロジェクトにも、多くのアメリカ人の善意と奉仕が詰まっていたことを思い、今更、感謝の念で一杯です。