変な通訳
1973年、僕が豪州のシドニー駐在員のとき、米国人と、豪州人の間に
入って、「変な通訳」をしたことがあります。
シドニーに、米国から1人の老紳士が来訪しました。米国支店から、アテンドを頼まれていたお客様です。
その米国人が、豪州の会社を見たいというので、取引先に案内し、先方の
豪州人が応対してくれました。
米国人と豪州人は、話し始めましたが、しばらくして、米国人が僕に、「この人の言葉が良くわからない、通訳してくれ」というのです。本当の話です。
豪州人の英語には、強い訛りがあり、しかも早口です。少し耳の遠い老紳士には、分かりづらかったのでしょう。
さすが米国人は合理主義者ですね。遠慮せず、わからないものはわからない、とハッキリ言います。
それで僕は、豪州人の英語を、「ジャパニーズ・イングリッシュ」に直し、
米国人の通訳をつとめました!
僕自身も、シドニーに赴任して半年ほどは、豪州訛りに、困ったものです。
昼の挨拶は、「グッダイ!」で「Good Day !」のこと、「トゥダイ」は「Today」
でした。
10年ほど経って、バリ島に家族旅行したとき、レストランで、となりの白人と少し話したあと、「あなたはオーストラリアに住んでいたことがありますか」と聞かれ、ショックでした。
僕は、高校時代に米国留学したとき、ボストン・イングリッシュを、身に
つけた筈なのですが・・・。
I-1-(23) 了