maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

「Ono」

ワイキキに、日系人家族がやっているハワイ料理店があります。

「Ono」(オノ)という名で、ハワイ語で「美味しい」という意味です。いつも、地元の人や観光客で混んでいました。

 僕たちも、行くのが楽しみでした。「コンビネーション・プレート」を1人前注文し、カミサンと2人で分け、それでも余った分は持ち帰ります。

 プレートに乗っているのは、タロイモの葉に包んだ豚肉(ラウラウ)、細く裂いた豚肉(カルア・ピッグ)、ビーフ・ジャーキー、サーモン・トマト、玉ねぎ、タロイモのペースト(ポイ)です。

 あるとき、隣の席にいた日本人の若いカップルが、ほとんど食べ残して出ていきました。ネットか旅行誌の評判でこの店に来たのでしょうが、お口に合わなかったとみえます。

 僕は、非常に不愉快でした。

 これは教養の問題です。こんなに美味しいハワイ料理の味が分からないなら、店に入るな、ハワイにくるな、と言いたかったです。

 日本を訪れる外国人でも、教養のある人ほど、日本料理を楽しみます。納豆が食べられない人を責めませんが、いつも食べている自分の国の料理と違うものを食べるのが、海外旅行の楽しみの筈です。

 さて話をハワイ料理に戻しますが、豚肉を包んでいるタロイモの葉は、長時間かけて、クタクタに煮てあり、お箸で自由に切り取れるほど柔らかいです。タロイモのペーストはハワイ語で「ポイ」といい、タロイモをすりおろしたもので、紫色で少し酸味があります。慣れると美味しく、うちのカミサンは、毎日三食たべても飽きないと言います。

 ところが時代の流れでしょうか、この「Ono」が、昨年(2019年)閉店しました。経営する家族が高齢になり、店は老朽化、お客さんも以前ほどは集まらなくなったのでしょう。仕方ありません、アラモアナ・センターのハワイ料理を食べます。

 ホノルルでは、日本料理が大人気です。アラモアナ・センターに新しい2つのフード・コートがオープンしましたが、いずれも和食で、店がずらりと並んでいます。和食は、とにかく種類が多くて、美味しくて、高くなく、清潔なので、大人気です。世界的のようです。