maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

与える幸せ

与える幸せを実感しています。

 

そのきっかけは、自分で書いたエッセイ集を50人ほどの人にプレゼントしたことです。A4判1枚に1つのエッセイ、31のエッセイを31枚に書き、表紙カバーをつけ、市販の簡易製本機で製本しました。

 

第1集が完成したのが、2020年3月1日、第5集の完成が4月27日です。各集を家族はじめ、10人ほどの知人・友人に送ったので、全部で50人ほどに送りました。

 

そうすると、メールや手紙がたくさん返ってきました。幸い、読んで面白かった、一気に読んだ、共感する部分があった、次集も送って欲しい、等々、好意的な反響でした。

 

僕の性格や人生観がよく出ている、と書いてきた友人もいます。僕としては、かなり淡々と経験や感想を書いたつもりが、読む人には、性格や人生観まで伝わるのだ、と少し驚きました。

 

ほとんど交流のなかった人や、初めての人にも送りました。

 

昔、僕を大変かわいがってくださった、取引先の社長さんがいました。その未亡人にエッセイ集をお送りしたところ、大変喜んでくださいました。その社長さんは、1年前に亡くなったのですが、30年前に、僕と2人でアメリカへ、仕事半分・遊び半分の「ジャズ旅行」に行きました。そのときのことを第1集に書いたのです。奥様から、社長さんの趣味だった写真や絵を遺品として分けたいので、ぜひご自宅まで来て欲しいとのお便りをいただき、その後、何通も手紙のやりとりをして、故人を偲びました。

 

それから、高校時代にアメリカに留学した仲間の未亡人にも送りました。彼は、3年ほど前に亡くなりましたが、生前、僕が書いたものを読むのを楽しみにしている、と言ってくれたので、奥様にお送りしたのです。まず電話して、事情を説明し、彼を偲んでいるうち、2人とも電話口で泣いてしまいました。それから、奥様と何通も手紙のやりとりがありました。

 

コロナ禍により、このお二人の未亡人を訪ねる旅は、できませんでした。しかし、こうして、エッセイ集を送ったことにより、素晴らしいことが起きました。故人を偲ぶ文通により、これまで、はるか遠くの存在だった人や会ったこともない人と、一気に 距離が近くなりました。