川の文化
世の中に、こんなにつらい肉体労働があるのか、と思いながら、僕たち男女4人は、500メートルのコースで、必死にボートを漕いでいます。
戸田で行われた、社内レガッタ(ボート・レース)、ゴールまであと100メートル、左右のボートが並びかけてきます。
ギリギリ1位でゴール・インし、優勝です。しかし、ハイタッチはしたものの、ほとんど息ができないほどバテました。
500メートルのコースを、予選、準決勝、決勝と1日に3回漕ぎました。
レースの日までに、早朝練習を何回かしました。荒川区の「尾久」に、我が社・ボート部の合宿所があり、そこに前泊、早朝、荒川で練習です。ボート部の選手が漕ぎ方を教えてくれました。終わると、風呂に入り、出勤です。
出場種目は、男女混合のナックル・フォア。自分の体の幅しかない、細長いボートに、男性2人、女性2人が縦に座り、一番後にコックスと呼ばれる舵をとる人が1人、計5人です。僕たちは、同じ課の仲間です。
4人の息が合い、オールがしっかり水をつかめば、船は速く進みます。長いオールの先がブレードです。水平にしたブレードを、水面に入れる寸前に垂直に立て、水をつかみ、腹筋をつかって、グイッと大きく漕ぎます。
4人のオールのタイミングが合わないと、船は重く、進みません。
ある週末の、ボート・ピクニックは、皆の気持ちを合わせる良い機会になりました。往きは、ボート部の人が道案内してくれました。朝、尾久を出発、墨田川を下り、荒川を経て、さらに江戸川へ。途中で岸に上がりお弁当。パナマ運河のように水位を変える運河も通り、「川の文化」を満喫しました。
最後は千葉県、市川の船宿に到着。すでに日は落ち、他のボートたちも全員集合し、宴会のあと、1泊しました。