館山沖
釣り針に餌をつけていると、グッと吐き気を催します。
それをこらえて、教えられたように、水平線を見ます。船は揺れていますが、水平線は動きません。すると、吐き気が治まります。また餌をつけ、吐き気、水平線、治まる、このくり返しでした。
従い、鯛のいる100メートルの深さまで、糸を垂らすのが、大変です。
僕たち3名は、M課長に誘われ、千葉県の館山沖で、鯛釣りをしています。しかし皆、海釣りは初めてです。一方、Mさんは、「釣りバカ日誌」で主演が
勤まるくらいの人です。
100メートルの糸を巻き上げて見ると、小さな「レンコダイ」が3尾、ついていることもありました。
船頭さんが、何やら、早くしろと、怒っている様子です。別の場所で良く釣れているから、そこに移動する、早く糸を巻き上げろ、と怒鳴っているようです。
船頭を怒らせてしまい、Mさんに悪いと思いながらも、となりの人と糸がからまり、なかなか巻き上げることができませんでした。
そのうち、波が大きくなり、僕は船底にノビてしまいました。釣り宿に泊まり、朝3時に起きて、ここまで来ましたが、海釣りは容易ではありません。
その後、Mさんは、部長を2年ほど勤め、定年で神奈川県の山間に隠居し、毎日、渓流釣りを楽しんでいたそうです。そして、存分に楽しんでから、永眠されました。
もちろん、釣り道具一式を持って!