maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

どっちも、どっち

残念ながら、どんな場合でも、自分だけが正しい、ということはありません。

問題児は、親にも原因があります。

大体、どっとも、どっちです。

 

夫婦げんかは、些細なことを、「言った」、「言わない」、「やった」、「やらない、」、「お前が悪い」、「あなたのせいよ」というような、ほんの些細なやり取りから始まります。

 

「もっと美味しい料理ができないの?」「あなたが、美味しいお料理を食べに連れていってくれないからよ!」

「子供の成績が良くないな。」「あなたがもっと家にいて、子供の勉強をみてくれないからよ。」

 

どうも夫婦は、相手を悪者にする傾向があるようです。

 

「いじめ」も、大抵の場合、どっちもどっちです。

いじめる側にも、いじめられる側にも、原因があります。

大きな「いじめ」事件では、学校や教師にも原因があります。

 

中学1年のとき、僕と、K君と、あと2人、合計4人の同級生が仲良くなり、毎日、おしゃぺりしながら、一緒に下校していました。

 

ある日、K君が、木でできた、潜水艦の模型を学校にもってきました。ゴム紐の回転を動力にして、スクリューが回り、水上を走ります。ところが、K君は、その潜水艦が、自分で「潜水」し、また「浮上する」、というのです。僕たちは、自分で潜水艦をつくって、知っていましたから、「そんなことはあり得ない」と言いました。

 

ところが、K君は、絶対に「潜水し、浮上できる」と言い張って、譲らないので、僕たちは、アホらしくなり、少し腹もたち、翌日から、K君とは別行動をとりました。

 

するとしばらくして、ホーム・ルームの時間に、担任の先生が、最近、クラスでK君がいじめられている、と言いました。僕はすぐ立ち上がり、ことの次第を説明し、「僕は、K君とは、つき合いません」と言いました。

 

先生は、苦笑して、それで終わり。怒られることも、僕の親が学校に呼ばれることもありませんでした。K君が僕たちに何か言うこともなく、僕たちが再びK君とつき合うこともありませんでした。

 

僕は、K君に危害を加えたわけではなく、意地悪もしたつもりはありませんが、K君にしてみれば、、つき合ってくれない、ということが「いじめ」だったのでしょう。母親には、潜水艦のことを言わず、僕たちを一方的に悪者にしたのでしょう。そして、母親が、息子が正しいと信じて、先生に泣きついたのでしょう。

 

今思うと、どっちもどっちですね。僕は、K君を、「そうかい、そうかい」と軽くいなし、つき合いを続ければ良かったのかもしれません。

 

しかし、76歳になった今でも、僕にはそれができません。だから、敵ができるのでしょうね。

 

アメリカ人の友人夫婦は、結婚して間もなく、深刻な対立をしたそうです。2人は、オックスフォード大学の同窓生で、秀才です。そして、何かについて、意見が違うと、とことん対立し、深刻な状態になったそうです。

 

「○○は、○○主義者である」、「いやそうではない」、というような、高尚(!)な意見の対立です。そこで、離婚にいたる前に(?)、意見が対立した場合には、百科事典で調べることにしようと決め、実行し、それからは、対立がなくなったそうです。

 

今回のコロナ・ショックで、日本は、「電子後進国」であることが、また証明されました。

 

台湾や香港では、コロナに感染した人をスマホの画面で追跡できたり、感染者の数を電子的に集計したり、最先端の技術を使って便利になっていますが、日本は、アナログ式で、紙の資料をファクスで集計しているそうです。それでは、遅いし、実際、東京都では、感染者数の集計に間違いがあったそうです。

 

日本では、パソコンができないようなお爺さんが、IT大臣ですが、台湾などでは、39歳の、ITの天才が大臣になり、画期的なコロナ対策の新システムをつくっています。

 

国や地方自治体が時代遅れです。役人の頭が古く、政治家の質が悪いからですか?

しかし、国民にも原因があります。質の悪い人が政治家に立候補し、当選します。

役に立たない大臣は、国民が政治家を動かして、辞任させるべきです。

 

マイナンバー・カード」は、まだ15パーセントしか普及していないようです。僕の知人(女性)は、国に自分の「秘密」を知られるのがいやだ、絶対に登録しない、と言っていました。しかし、マイナンバー・カードは、国や地方自治体が政策を実行する場合に、非常に有効なツールになります。

 

アメリカでは、「社会保障カード」が身分証明書で、これがなければ、国民と認められません。日本も、マイナンバー・カードを社会保障カードにしようとしていますが、国民は、政府が個人情報を悪用するのではないかと警戒し、登録が遅れています。

 

日本の電子化の遅れは、政府も国民も、どっちもどっちです。

 

それにしても、世界のリーダー国の1つである日本では、役に立たない大臣が常に何人もおり、それでもなんとかなっているのは、国民が非常に優秀だからです。