李登輝
2020年9月19日、台湾の元総統であった李登輝氏の葬儀が、台湾で行われていました。日本からは、森 喜朗元総理が参列しています。
「公」に生き、台湾民主化の「父」と尊敬される李登輝氏は、残念ながら、去る2020年7月30日に97歳で永眠しました。
李登輝氏は、1996年に台湾人として初めて、国民による直接選挙により、「台湾」の「総統」となりました。これで、1948年に中国大陸から、共産党に負けて逃げてきた「中華民国」の蒋介石政権による台湾支配が終わり、台湾は実質的に「独立」しました。
しかし、大陸の中国共産党は、台湾は「中国の一部」であると主張し、台湾独立を認めず、台湾海峡にミサイルを撃ち込みました。これに対し、アメリカ海軍は空母2隻を派遣し、対抗しました。
現在も、台湾海峡の緊張状態は続いています。アメリカ海軍と中共海軍が台湾海峡や周辺で軍事演習をし、いつ戦闘がはじまるか、という事態です。
人口でいえば、台湾の2千3百万人に対し、中共は14億人です。しかし、李登輝は中共の脅迫に屈しませんでした。普通の人だったら、恐怖で夜も眠れなかったと思います。
数々の困難を、李登輝氏は巧みに克服し、「民主化」と実質的な「独立」という2つの「公」の目的を達成しました。
そして、同氏は戦後の日本に対し、「日本精神」を忘れたのか、しっかりせよ、と叱咤激励し続けました。
同氏は、日本統治時代を称賛し、終生、自分は「日本人」であると、誇りにしていました。
そして日本、米国を始め、世界から尊敬され、惜しまれながら、永眠しました。
幸せだったと思います。
国の指導者が「私利私欲」にはしると、退任後は投獄、自殺、暗殺、亡命など、不幸な人生で終わります。
「公」は幸せ、「私」は不幸です。