ボンボン逆転のキーワード
「慢心」
「船場吉兆」の跡取りだった湯木尚二は、若くして成功し、驕り高ぶり、もう何もしなくても店は繁盛し、幸せは続く、と勘違いしました。
そして、「働く」のを忘れ、店にも出ず、「遊び」ほうけました。
働かなくなったので、店には客が来なくなり、湯木は「転落」しました。
「反省」
すべてを失った湯木はどん底を味わいます。
アパートの1室で、ボンヤリとしながら反省の毎日を過ごしていました。
そして、お客様を忘れた自分に気がつきます。
皿洗いのアルバイトをしても、昔の客に見つけられると、辞めるしかありませんでした。
「かすかな夢」
そんな湯木にも、もう1度、「食」の世界で生きたいという「かすかな夢」が心のどこかにありました。
そのかすかな夢を持ち続けたことが復活のキーワードです。
「ハードル」を低く
そんな湯木に、昔から知り合いの不動産屋が声をかけます。小さな店舗に借り手がつかず、困っているので、使ってくれないか、というのです。
4〜5人で満席になる、カウンターだけの小さな店です。これが再スタートになりました。
「心」
そこで湯木は、お客様ひとり1人のことを心にとめ、心のこもった料理でもてなします。すべてはお客様のためです。
店は徐々に評判をとり、ついに、大阪の一等地、北新地に、立派な店を出すようになります。湯木が「心」を忘れなければ、幸せが続くでしょう。