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スピーチ形式のエッセイ

人物「ドナルド・キーン」博士

ドナルド・キーン博士は、アメリカ出身の、世界的に有名な日本文学者です、2008年に86歳で文化勲章を受章しました。

 

キーン博士は日本とアメリカを往復する生活を長年続けましたが、2011年9月、89歳で日本に「帰化」し、永住しました。東日本大震災があった年です。

 

同年3月11日の東日本大震災で、放射線の汚染を恐れた多くの外国人が日本から逃げ出すのを見て、「自分は日本人になり、日本に住みたいのだ」、と気づき、実行したのです。

 

キーン博士は早速、ニューヨークの自宅を引き払い、東京の北区に住み、駒込霜降銀座で自家製の「豆腐」を買うのが楽しみでした。

 

89歳で、自分の「夢」がわかり、「気がついたら」実行していたのです。

 

キーン博士は、コロンビア大学を卒業し、同大学で日本文学を教えましたが、ケンブリッジ大学ハーバード大学でも研究しました。

 

太平洋戦争中は、米海軍で日本語の通訳官として働きました。日本人捕虜の日記を読み、故郷に帰りたいという兵士の思いに心を打たれたといいます。

 

戦後、1953年に京都大学大学院に留学しました。

 

「日本文学史」の出版をはじめとする、大きな業績をあげ、東北大学ほか12の大学から名誉博士号を受けました。また文化勲章ほか、数々の叙勲や表彰を受けました。

 

ケンブリッジ大学の図書館で、江戸時代の「浄瑠璃本」が発見されたとき、キーン博士は90歳を過ぎていましたが、東大の先生と2人で、同大学で初の浄瑠璃公演を実現しました。

 

生涯の著作は、日本語で30点、英語で25点、となっています。古典から現代文学まで、日本文学を世界に紹介しました。(以上、ネット情報を参照しました)

 

89歳の「アメリカ人」が、なぜ、「日本人」になったのか。キーン博士はそれが自分の「夢」であることに気づき、素直に実行したわけです。