巡礼の旅
四国八十八カ所霊場巡り、というのがありますが、僕の場合は、巡礼ではなく、尊敬するジョン万次郎の故郷を訪ねて、2019年2月に、クルマで山梨県を出発し、途中京都で1泊しながら、高知県の足摺岬まで、往復2000キロメートルの旅をしました。
岡山から瀬戸大橋を渡り、香川県の高松に上陸、そこから四国を南に縦断し、高知に着き、今度は西へ、足摺岬まで、ひたすらドライブしました。この行程、260キロメートル、休憩をいれて5時間、このドライブは、とてつもなく長く感じました。
そして、足摺岬にあるジョン万次郎の像のすぐ前には、「四国霊場第三八番札所金剛福寺」があります。ここは四国の最南端で、あるのは、広大な太平洋と灯台と万次郎の銅像だけです。人っ子一人いません。八十八カ所を徒歩で巡るとしたら、こんなところまで歩いてこなければなりません。
僕は実感として、お遍路がいかに大変なものか、わかるような気がしました。八十八カ所巡りは、徳島を出発して、南岸沿いに高知へ、そこから西に足摺岬へ、そして北上し愛媛、それから東へ向きを変え、香川まで、四国を時計回りに1周、合計1450キロメートルの旅です。1日25キロメートル歩き、2ヶ月です。
巡礼といえば、ヨーロッパにも、中世から続く、「カミーノ・デ・サンティアゴ」があります。フランスからスペインの聖都サンティアゴ・デ・コンポステーラまで、一番長い行程なら、1500キロメートルあります。
会社の先輩が、歩きました。最近、テレビでこの旅を特集したので、観ました。地平線まで伸びる、畑の中の一本道をひたすら歩き、夕方、村に着けば、「アルベルゲ」という巡礼者のための宿に泊まります。
年間35万人がこの巡礼をしに、世界中から集まってくるそうです。
宿では、宿のご主人や巡礼者たちが楽しい夕餉のひとときをもちます。ひたすら歩きながら、人生の、自分の、いろいろなことを考えるのでしょう。