maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

9イニングの人生〜その6

グロトン校の寄宿生活がどのようなものか、書いたものがありましたので、ご紹介しましょう。

 

グロトン・スクール(Groton School)の朝は、7時の起床で始まります。

全寮制の中高一貫・私立男子校です。

 

  1961年9月、ボストンの北方65kmにある、私立の寄宿学校で、僕は、6年生(高校3年生)として1年間の留学生活を始めました。先ほど、僕のいる寮の10人の下級生を起こし、顔を洗い、今、朝食のテーブルについています。長いテーブルで、両端に先生が座り、生徒が5人ずつ向かいあって座っています。先生が料理を大きな皿に取り分け、生徒に回します。

 

  食事が終わると、芝生のキャンパスを横切り、9時から、校舎の講堂で朝礼が始まります。全校生徒200名ほどが着席しています。今朝も副校長のW先生から、スケジュールや注意事項などが発表されます。

 

授業は、10〜20人程度の少人数制で、僕はアメリカ史、英文学、哲学、数学、聖書クラス、化学、などを学びました。どの科目も、次の授業までに、

本を20頁ほど読む予習が必要で、レポート提出もあり、クリスマス休暇までの3ヶ月で、ポケット英和辞典はボロボロに分解しました。

 

午後の授業が終わると、3時から全員、スポーツです。1軍は、東部の私立校と対抗試合をします。秋はアメリカン・フットボールやサッカー、冬はバスケやアイス・ホッケー、春は野球やテニスで、選択制です。僕は、アメフトの2軍と、バスケの1軍などを経験しました。

 

夕食後、2人部屋で勉強です。勉強時間が終わると、ホールに1列に並び、校長夫妻とGood Night の握手をし、10時就寝です。6年生は、深夜までの勉強が許されました。1学年1クラスだけで、僕たちは37名、半数がハーバード大学に進みました。

 

娯楽はほとんどなく、木曜日の夜だけは、6年生が、夕食後、校長のお宅で、当時人気のTV番組「アンタッチャブル」を観ることができました。

 

日曜日は、礼拝のあと、誰かの部屋に集まって騒ぐのが楽しみでした。

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この2人は、ハーバード大学に進学しました。