箱根に避難
箱根といえば、僕と同じキリスト教会の会員で、今は亡き、大先輩のKさんを思い出します。
Kさんは完全に奥さんの尻にしかれていたので、毎年夏になると1週間、箱根に「避難」しました。「女王さま」による「支配」から逃れて、少しでも、
心身を休めるため、仙石原にある会社の保養寮で1週間過ごすのです。これは、奥さん「公認」だったそうです。
Kさんは、教会の役員に長年選ばれる立派な人でしたが、奥様があまりにも、「独裁的」でした。あるとき、日曜礼拝のあと、Kさんを昼食にお誘いしたところ、「予定は家内が決めるので」と、奥さんが現れるまで待つことになりました。
その奥様は、教会の「情報センター」で、あらゆる情報を集めていました。たとえば、「昨日の午後、駐車場に車がなかったですけれど、どこにお出かけでしたの?」という具合に。
牧師に話したら、「僕なんか、『昨日、ガレージにいつもと逆方向に車が停めてありましたけれど、どうしてですか?』と聞かれましたよ。」
別の教会員のH夫人は、亭主関白のご主人に献身的につくしていました。ご主人が脱いだ靴は必ず揃える、割箸は割って渡す、誰の目にも、絵に描いたような世話女房に見えました。
しかしH夫人は、尽くしているようで、実は完全にご主人を牛耳っていたようです。H 氏は、有名な会社の役員だった人ですが、完璧に仕事をする奥様に面倒をみられ、頭が上がらなかったようです。
あるとき、教会の男性だけの飲み会で、H氏が、「死ぬ前に、1度だけ、女房をどなりつけてやりたい。」と言ったので、驚きました。
人間は、複雑ですね。