maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

日本人は貧しい

日本人ほどよく働き、しかも「貧しい」国民は

世界でも珍しいと思います。

 

サラリーマンは、1〜2時間もかけ、満員電車で通勤し、

夜遅くまで働き、平日、家族と一緒に夕食を食べることは、

ほとんどありません。

 

それに比べ、イタリアやスペインでは、家と職場が近く、

昼食は家に帰り、家族とともにゆっくり食べる人も少なくないようです。

 

日本人は結婚して何年かたつと、マイホームを買います。

小さな家でも、土地付きとなると、大都市圏では数千万円します。

そして住宅ローンを、定年まで払い続けます。

 

「休暇」も非常に少ないです。

 

職場で、1〜2週間の有給休暇をとるのは大変です。

「皆忙しいのに、君は何考えてるの?」となります。

 

世界の人から見れば、「そんな職場、早く辞めなさい」です。

 

オーストラリアでは、法律により、1年間に4週間の有給休暇が

義務づけられています。

 

テレビのニュースで見ましたが、アメリカの場合、

年収1、400万円では、低所得の方です。

日本では、年収500万円以上あれば、

低所得とは言えないでしょう。

 

日本では所得の割に、土地・家、高速道路、ガソリン、新幹線、飛行機、

教育費用、税金が非常に高いです。

 

江戸時代のように、おカネは「お上」に吸い上げられます。

 

それでも、国民の貯金は、世界一です。不思議な国民ですね。

日本には自由がある

日本では、「政府を批判しても」警察に連れて行かれることはありません。

 

共産党の中国ですと、「習近平国家主席)は独裁者だ」と言っただけで、誰かにどこかへ連れていかれ、行方不明になります。

 

日本では、テレビ番組のコメンテーターが「アベノマスク」を笑いものにしても、

大丈夫ですが、中国ですと、「習近平は『熊のプーさん』に似ている」なんて言ったら、すぐテレビ画面が真っ暗になり、そのコメンテーターは翌日から出演しません。

 

中国では、インターネットで中国共産党に都合の悪い情報を、見ることができません。

政府が「グレート・ファイアウォール」により、監視しているからです。

 

香港では、本屋の店主や、新聞社の社長が逮捕されました。

中国共産党を批判した本を売ったり、新聞を発行したからです。

 

香港では、平和なデモをしただけで、集会を開いたただけで、逮捕されるようになりました。そういう法律が中国でできたからです。

 

民主主義国家のはずの韓国でさえ、反日運動を批判した本が、「禁止本」扱いになり、図書館から撤去されました。

 

韓国では、戦争中の「親日派」の子孫とわかれば、政府に財産を没収されます。

 

北朝鮮では、外国のことを知ろうとすると、罰せられます。

 

北朝鮮では、家族以外、すべての人が「密告者」です。お国の悪口や、不平不満を言ったら、すぐ警察がきて、連れていかれます。

 

ロシアでも、政府を批判すると、行方不明になったり、毒殺される危険すらあります。

 

日本では、何を言っても大丈夫です。

何を書いても、大丈夫です。

 

法律やマナーさえ守れば、こんなに自由で安全な国は世界でも珍しいでしょう。

日本人は幸せか

世界的にみて、日本人は幸せでしょうか。

 

日本の治安は非常に良く、世界一ともいわれています。

普通の場所では、女性が夜、駅から自宅まで、

ひとりで歩いても危険はありません。

 

街は清潔です。

パリに行った人は、裏通りにゴミがたくさん

落ちているので驚いたそうです。

 

電車は時間通りに来ます。

家具屋で買ったベッドは、約束の日時に配送されます。

大抵の国では、「正確な日は、わかりません」です。

 

空港から乗るタクシーは、きちんとメーター料金で走ります。

国によっては、空港から乗ってホテルに着くと、

法外の料金を請求されることがあります。

 

落とした財布は、まず返ってくる。

これも世界では珍しいです。

 

何より、国民健康保険があります。

軽い診察・診療であれば、百円単位か千円単位で済みます。

手術代も、高額医療補助制度により、補助されます。

 

ハワイでは、ちょっとした入院・手術代を払うために、

マンションを売った人がいるそうです。

 

日本は、安全、清潔、時間通り、安価という、世界でも珍しい国です。

 

これまで国民が努力して築いてきた、立派な国です。

そこに住む日本人は、幸せです。

五千円のローレックス

「大金持ち」になりたい、なってみたい、と誰でも1度は思うでしょう。

 

大金持ちになれば、何でも買える、何でもできる、だから幸せだ、という考えです。

 

これは、僕の経験ですが、ある小さな会社の社長さんを交え、3〜4人で、ホテルのロビーで、雑談したことがあります。

 

その社長さんは、成金の金持ちでした。

 

途中で気づいたのですが、社長さんは、僕の手首のあたりを、チラチラ見ています。

 

何故かなと思いながら、皆さんとの会話を続けました。

 

そして、話も終わり、立ち上がりかけたとき、社長さんが、私に尋ねました。

 

「その時計、ローレックスの○○?」

 

僕はびっくりして、「いえ、ただの安物です」と答えました。

 

事実、5千円くらいの時計でしたが、ローレックスに少し似ていたかもしれません。

 

社長さんは、僕の時計が、社長さんのローレックスよりも高級なローレックス

かもしれないと思い、気になって仕方がなく、会話も上の空だったのでしょう。

 

この社長さんの時計は、100万円したかもしれません。でも、僕が300万円の時計をしているのではないかと思うと、気が気でなかったのです。自分の目の前に、自分よりも金持ちがいる!

 

小さなベンツを買うと、大きなベンツが欲しくなるでしょう。

 

5億円を持つと、今度は10億円を持つ人がうらやましくなる筈です。

 

それが金持ちさんの宿命です。

 

この社長さんは、大事なことを教えてくれました。

大きな家

ハワイへは、毎年6月に行き、ハワイ島の「コナ」というところに1週間滞在しました。

 

2020年は、コロナで行けませんでしたが。

 

いつも宿泊するのは、ヒルトンの会員制リゾートです。

 

目指すリゾートは、コナ空港から、コナの町とは反対方向に45キロほど走った、「ワイコロア・リゾート」というところにあります。ヒルトンだけで、3つのリゾートがあり、それ以外にもたくさんのリゾートやホテルがあります。

 

目指すリゾートの門を入ると、2〜3階建ての「ヴィラ」がたくさん並んでおり、そこに泊まります。溶岩の上につくられたリゾートで、美しい芝生が広がっています。

 

1つの階に1つのユニット。大きな寝室が2つ、大きなバス・トイレも2つ、4畳半はあるキッチン、8畳のダイニング、12畳のリビング。それに広々したテラスがついています。天井の高さは3メートルです。

 

1泊10万円が相場の部屋だそうです。

 

そこで毎年、夫婦2人で1週間生活します。年会費を払っているので、宿泊は無料です。

 

しかし、こういう部屋は広すぎて、住みたいとは思いません。

 

夫婦2人には、広すぎて、相手がどこにいるのかもわからず、「おーい、どこにいるの」と呼ぶ始末です。子どもの多い、大家族には向いていると思います。

 

家具も立派ですが、テーブルも椅子も大きすぎ、重すぎて、動かすのも大変です。

 

広過ぎて、夜中にトイレにいくときは、少し怖いぐらいです。

 

こういう家には住みたくありません。

 

僕は日本の2LDKで十分です。

うつの経験

僕は、これまでに2度、「うつ」になりました。

そのとき、自分は生きていても、社会の役に立っていない、

だから生きていてもしょうがない、

と毎日自分を責めました。

 

50歳で大会社を早期退職し、割り増し退職金を手にし、

何ひとつ不自由なく、暮らしていました。

元気で、お金もたっぷりあり、外車に乗り、

お洒落をしていました。

 

家族とは別居していましたが、寂しくなく、

むしろ、単身生活を大いに楽しんでいました。

時間は、24時間、自分の好きに使えました。

ところが、いつの間にか、うつになりました。

 

友人たちは、50代で、現役で働いているのに、

自分は第2の人生が決まりません。

人の下で働くのはもう嫌です、

といって何をすれば良いのか、

何をしたいのか、わかりませんでした。

 

ラクして収入があるという、

マルチ商法の誘いにも乗ってみましたが、

どれもうまく行きません。

 

自分の能力が何なのか、

どうしたら自分の能力を発揮できるのか、

それがわかりませんでした。

 

皆が働いているのに、

自分は何をしたらよいか、わからない、

そのジレンマが、

「うつ」の原因だったと思います。

借金王のキーワード

「小さな楽しみ」

40億円という、気の遠くなるような借金地獄の中で、ときには駅のホームにすべりこんでくる電車に向かって、「体」がいってしまうことがありました。

 

そんな極限状態の中で、湯澤はあることをします。

奥さんと2人で、「5年間がんばる」という目標をたて、「1827日」の日めくりカレンダーをつくり、1日が終わると、そのカレンダーを1枚めくることにしました。5年やってだめだったら、会社を清算することにしました。

 

小さくても、日々の「楽しみ」があったので、頑張ることができたのです。

 

ラソン選手が、「あと10メートル」、「あと100メートル」と自分に言い聞かせながら、苦しくても最後まで走りきるのと似ています

 

あのスーパー・ボランティアの尾畠さんの魚屋修行も、「独立」という楽しい夢があったから耐えることができたのだと思います。

 

「すべては人」

3度目の地獄のとき、湯澤は、事業は「人」であるということに気がつきます。この場合、「人」とは、従業員のことです。

 

利益を出して借金を早く返済するため、従業員を減らし、機械のようにこき使った結果、食中毒や火災がおきました。「人」の大切さを忘れていたからです。

 

「いつかは」

57歳の今、コロナ禍で来店客が減り、湯澤は新たな問題にぶつかっています。そして3千万円の借金をしました。

 

しかし、湯澤は言います。「コロナ禍もいつかは過ぎ去ります。皆で結束し、目の前のことに集中します。そして『いつかは』ラクになります。」

 

湯澤は今日も、「いつかは」を楽しみに、コロナと闘っていることでしょう。