maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

うつの経験

僕は、これまでに2度、「うつ」になりました。

そのとき、自分は生きていても、社会の役に立っていない、

だから生きていてもしょうがない、

と毎日自分を責めました。

 

50歳で大会社を早期退職し、割り増し退職金を手にし、

何ひとつ不自由なく、暮らしていました。

元気で、お金もたっぷりあり、外車に乗り、

お洒落をしていました。

 

家族とは別居していましたが、寂しくなく、

むしろ、単身生活を大いに楽しんでいました。

時間は、24時間、自分の好きに使えました。

ところが、いつの間にか、うつになりました。

 

友人たちは、50代で、現役で働いているのに、

自分は第2の人生が決まりません。

人の下で働くのはもう嫌です、

といって何をすれば良いのか、

何をしたいのか、わかりませんでした。

 

ラクして収入があるという、

マルチ商法の誘いにも乗ってみましたが、

どれもうまく行きません。

 

自分の能力が何なのか、

どうしたら自分の能力を発揮できるのか、

それがわかりませんでした。

 

皆が働いているのに、

自分は何をしたらよいか、わからない、

そのジレンマが、

「うつ」の原因だったと思います。