maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

ベンチ

ベンチは、大好きです。ベンチがあるとありがたいです。ベンチの数が、人間を大切にする先進文明を表す、とさえ思います。

  高齢者、障碍のある人、妊婦、体調の良くない人などにとり、ベンチは必要です。

 最近、あるショッピング・センターが改装され、店内のベンチが大幅に増えました。それもあって、僕がその店に行く回数が増えました。行くと、カミサンは100円ショップか婦人服売り場、僕は本屋か靴屋と、行き先が決まっており、3階のエスカレーター脇のベンチで、20分後に集合です。集合に多少遅れてもいいので、便利です。

 これまで、デパートはじめ、大型店のベンチは、トイレの前と決まっていましたが、最近は変わってきましたね。

 調布の、神代植物公園は大好きです。おそらく、「何十万坪」という広さで、森の中を散歩すると、至るところに、きれいなベンチがあります。森を抜けて、広大なバラ園に来ると、もう「無数の」ベンチが並んでいます。素晴らしいです。

 1時間半ほど、四季折々、梅、桜、バラ、ダリア、菊などを楽しんだ後、深大寺門前のそば屋「大師茶屋」でとろろそばを食べると、さらに幸せな気分です。

 皇居前や、日比谷公園のベンチもいいですね。よくのんびりと座りました。

 ニューヨークのセントラル・パークを散歩すれば、無数のベンチがあります。大勢の若者が、スポーツ・サイクルに乗り、スピードを出して、公園内の車道をグルグル回っていました。

 セントラルパークにはいつも違う入り口から入るので、1時間くらい散歩しても、毎回景色が違い、こんな所があったのか、と思います。大きな公園ですね。

 広いので、出口に向かっているつもりが、もとの場所へ戻ってしまったこともあります。公園を抜けて、メトロポリタン美術館にも行きました。

 日本にベンチがもっと増えるように、期待しています。ベンチの数は、「文明度」を表す、というのが僕の持論です。