maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

シェイン

 

西部劇史上、「シェイン」のファースト・シーンは、おそらく最も美しいでしょう。

 

  馬上のシェインが、開拓民の住む谷のほうへ、静かに丘を下りていきます。

 

  この平和な開拓村も、実は危機を迎えています。付近で大きな牧場を営む

男が、開拓民たちを追い出し、広大な土地を手に入れようとしているのです。

 

  流れ者のシェインは、静かに馬を進め、開拓民ジョーの小屋に向かいます。あいさつを済ませ、通り過ぎるつもりでしたが、しばらく馬小屋に泊まり、ジョーの農場を手伝うことになりました。

 

  腹黒い牧場主は、手下を使い、農地を荒らし、家を焼き払い、無法の限りをつくして、開拓民を追い出そうとします。開拓民たちには、この暴力に立ち向かう力がありません。あきらめて、他に移住する者もでてきました。

 

  これを知ったシェインに、正義の火がつきます。2度と拳銃は抜くまいと

誓ったガン・ファイターですが、村を救える者は他にいません。「自分が行く」というジョーを殴り倒し、シェインは1人、馬を駆り、町の酒場で待つ、ならず者たちのもとへ向かいます。ジョーの息子ジョーイと愛犬が、あとを追います。

 

  酒場では、雇われた殺し屋ウィルソンが待ち構えています。

 

  シェインの拳銃がウィルソンよりも一瞬早く火を噴き、背後にいた敵も、

ジョーイの知らせで倒します。これで開拓村は平和を取り戻せるでしょう。

 

  「父さん母さんを大切にね」と言い残し、「Shane, come back ! 」というジョーイの切なる叫びを背に、シェインの姿は小さくなっていきます。

 

銃社会が良いのか、悪いのか、いまだにアメリカ社会の大問題です。

 

日本も、「丸腰」が理想ですが、領土を取られるリスクがあります。