maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

転落王

カルロス・ゴーン」という人を、謹んで「転落王」と呼ばせて頂きます。

 ゴーン氏は、ニッサン自動車を再建し、フランスのルノーの社長にもなり、我が世の春を謳歌していましたが、カネに目がくらみ、悪事をし過ぎて、ニッサンから訴えられ、日本警察に逮捕され、昨年、2019年の暮れに、保釈中の身で、海外逃亡した人です。

 ゴーンは世界的な自動車メーカー2社の社長になり、年収数十億円という身分を得て、幸せな人生を歩んでいるように見えました。

 しかし、今や、日本の警察と、国際警察から追われる身です。

 ゴーンは事業で成功することが夢だったはずです。それが途中でカネ目当てに変わりました。

 将来の退職金をいくら、どのように受け取るか、ニッサンと詳しく取り決めをしました。

それは、あのイチローも、マリナーズ球団と契約したように、賢明なことです。

 しかし、イチローとは正反対に、ゴーンは、本来の仕事に邁進するどころか、ルール違反を繰り返し、ニッサンルノーのカネを違法に使い、ポケットにも入れました。

 ゴーンは、生まれ故郷のレバノンに逃亡しました。そして、ニッサンのカネで買った豪邸に住みました。うまく逃亡したことを自慢していました。

 ところが1週間前、2020年8月4日、レバノンの首都ベイルートの港の倉庫で、保管してあった薬品2千7百トンが大爆発し、町全体が破壊され、30万人が住む家を失いました。ゴーンの家も破壊されました。

 レバノンは、日本の外務省が渡航を注意しているほど、治安が悪く、危険な国です。政府は腐敗しまくり、外貨も底をつき、もう住めるような国ではありません。銀行預金も自由には下ろせません。

 ゴーンはレバノンから1歩でれば、国際警察に逮捕される身です。海外に置いてある資産はすべて差し押さえられています。現在仕事はなく、収入はゼロです。住む家はありません。港の爆発で、倉庫にあった食糧も燃えてしまい、街では暴徒が暴れています。

 まさに「転落王」です。どうも2度目の今の奥さんが原因のようです。内助の功どころか、おねだりして、ゴーンを転落させた悪女のようです。お気の毒さま。