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スピーチ形式のエッセイ

西郷隆盛

西郷隆盛も、人気がありますね。

 

薩摩藩(鹿児島県)出身、幕末の英雄、明治維新の立役者の一人です。

 

西郷は江戸城に攻め込もうとしますが、勝海舟に説得され、無血開城に合意します。

 

ここまでは、日の出の勢いでしたが、その後、人生が微妙に変わります。

 

西郷は、近代日本の誕生により失業する、武士階級を救おうとします。

 

しかし、盟友、大久保利通が率いる新政府は、没落武士階級に冷たい。

 

西郷は、贅沢三昧、汚職まみれの新政府に見切りをつけ、鹿児島に帰り、狩りや農業の毎日を送ります。

 

この頃、不満のたまる薩摩藩の旧武士たちが、新政府への抗議に立ち上がり、西郷をリーダーとして担ぎます。

 

そして、抗議のために東京に向かう西郷の軍勢は、意に反し、新政府により、「反乱軍」との烙印を押されました。西郷軍は大久保が派遣した政府軍に敗れ、西郷は九州を出ることなく、討ち死にします。49歳でした。

 

西郷は、自分に正直で、清廉潔白、淡泊な人であったため、明治政府に留まることなく下野しましたが、もし、総理大臣でもやっていたら、日本国はもっと違った国としてスタートしていたと思います。

 

西郷は、最後まで「私心」がなく、カネや地位、権力などには目もくれず、天下のために働いたので、立派な「公人」ですが、残念ながら、反乱軍の将ということで、靖国神社には祀られていません。

 

西郷は、自分の「信念」を貫いたため、藩主に睨まれ、2度も島流しにされました。

 

しかし、近代日本を生んだ西郷の巨大な足跡は現在も燦然と輝いており、上野の銅像を訪れる人は後を絶たず、大久保利通などとは比べものにならない人気です。

 

今、「英雄」西郷は、天国で、犬を連れ、のんびりと狩りでもしていることでしょう。