グレン・ミラー物語
グレン・ミラー(1904〜1944)といっても、ある世代より若い人は
名前を知らないかもしれません。
1930年代〜40年代に大活躍した、
アメリカのジャズ・ミュージシャンです。
音楽ファンなら、多分知っているでしょう。
この人がまさに、一夜にして「幸せでない人」から
「幸せな人」になってしまったのです。
「グレン・ミラー物語」という映画があり、
私はそのDVDを数え切れないほど観ました。
ミュージシャンとして、鳴かず飛ばずだった人が、
ある日突然、大ブレイクした、その瞬間を見るのが、
たまらなく好きだったからです。
その日、グレンはいつものように、
翌日の本番に備え、自分のバンドの練習をしていました。
すると、バンドをリードするトランペット奏者が
誤って唇を切ってしまいます。
困ったグレンはその日、徹夜で編曲し直します。
そして深夜、突然、最高に美しい「ハーミニー」が生まれます。
今まで、グレンが「漠然と」求めていた「夢のサウンド」が
突然、現実のものになったのです。
翌日、ダンスホールでグレンのバンドが演奏していると、
客たちが踊りを止め、あまりにも美しいハーミニーに聞き惚れ、
惜しみない拍手を送りました。
グレンが大ブレイクした瞬間です。