maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

回転競技

ようやく湯田中から「発哺(ほっぽ)」にたどり着き、これから乗るリフトを降りれば、合宿所、「高天原山荘」(たかまがはら さんそう)が待っています。

 

  高校時代に始めたスキーが楽しく、大学ではスキー・クラブに入り、冬の合宿に来ました。場所は、長野県の志賀高原です。

 

  スラロームと言われる、「回転競技」の練習をします。

 

斜面に2本づつセットされた旗竿の間を、左右にカーブしながら滑り降り、タイムを競います。2本の旗竿を3メートル間隔に立てたものが門のようなので、「旗門」といいます。地元の、スキー名人に頼み、「旗門」をセットしてもらいます。スタートからゴールまで、10程の旗門が左右交互にセットされます。

 

  旗竿を回るときは、スキーのエッジを立ててブレーキをかけないと、スピードが出過ぎて曲がりきれず、次の旗門を通り越し、コース・アウトしてしまいます。しかし、ブレーキをかけ過ぎると、スピードが落ち、タイム・ロスします。

 

  「回転」と、「大回転」、「スーパー大回転」、「滑降」を、まとめてアルペン・スキーと言います。

 

  アルペン・スキーでは、ヨーロッパ勢が強く、アメリカもかないません。

日本は最近、決勝にも出られません。

 

  同じような体格、同じような道具で、どうしてこんなにタイム差が出るのか。皆、1〜2歳からスキーを始めるのに、ものすごく差がつきます。

 

  エッジングを少なくし、スピードを落とさずに回転する技術、そして滑降では、時速100kmのスピードに負けない「勇気」が必要です。転倒すれば、骨折の重傷か、命さえ危ないのですから、恐怖心との闘いです。

 

  日本には、科学的に教えてくれる、優秀なコーチが必要でしょう。