maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

会費は?

3000ドル(33万円)はかかった、クラス会の会費を、誰に払えば良いのか。

 

ボストンの北にある、全寮制グロトン・スクールでは、毎年5月にホーム・カミング・ウィーク(Reunion Weekend)があります。各クラスは、卒業5年ごとに学校に招かれ、クラス会をします。僕がいる1962年卒業クラスは、2017年の55周年に集まりましたので、次は2022年の60周年です。

 

僕は、交換留学生で、1年間だけ学び、卒業したのですが、皆がエイジ、エイジと呼んで、仲間に入れてくれました。しかし、うまく行かなかった留学生もいたようです。

 

全米から卒業生が集まり、ほとんどが学校近くのホテルに泊まります。金曜日午後のレセプションから始まり、さまざまな行事に参加して、日曜日、朝の礼拝後、昼食をして解散です。その間、講演会、表彰式、校内見学、スポーツなどの行事があり、自分たちで「クラス・ディナー」もします。

 

25周年か、30周年のときだったと思いますが、学校近くの高級レストランで、クラス・ディナーをしました。ワインをたくさん飲み、フルコースのディナーです。奥さん連れも多く、30人位いました。

 

終わって、会費を払おうと、級友に、会費は誰に払えば良いのか聞くと、彼は知らないと言います。他の友人にきいてみると、「多分、幹事たちが払ったと思う」との返事。1人100ドル(1万1千円)として、総額3000ドル(33万円)以上は、かかったと思います。しかし、会費のことなど、話題にもならないので、誰に礼を言って良いのか、ついに最後までわかりませんでした。日本のクラス会とは、まったく違う雰囲気なのです。

 

この学校に入る者は、富裕層の子供が多く、卒業してハーバード大学を卒業し、学者、医者、弁護士、企業家などになります。そして、親からの財産を増やし、また自分の子供をこの学校に入れる、というパターンです。

 

富裕層は、クラス会の幹事になれば、黙って支払いをすませてしまい、学校に多額の寄付をします。確かに、グロトン校には、毎年何億円という寄付が0Bから集まります。

 

ニューヨークの投資会社で成功したS君は、数年前、学校に「コンサート・ホール」を寄贈しました。アメリカ人のスケールの大きさは相当なものです。