日本の政府はダメですか?
僕が所属するキリスト教会の牧師が、教会の月報に変なことを書いたので、今日僕は、牧師と役員に手紙を書きました。
その手紙は、以下のとおりです。
日本の政府はダメですか?
月報に、「日本の政府は、国民の命を後回しにしているからダメだ」という記事を書いた人がいますが、そうでしょうか?
まず、冷静に、世界の中の日本を見てみましょう。
2020年7月9日現在。世界のコロナ・感染者数と死者。
国 名 |
人 口 |
感染者 |
死 者 |
米国 |
3億3千万人 |
300万人 |
13万人 |
ブラジル |
2億人 |
170万人 |
7万人 |
英国 |
0.7億人 |
29万人 |
5万人 |
日本 |
1億3千万人 |
2万人 |
1千人 |
日本は、人口が米国の約3分の1、感染者数は、150分の1、死者は130分の1です。
今年の3月頃から、コロナが「強敵」であることがわかり、政府も、国民もあわてました。そして、対策が「後手、後手」に回りました。
PCR検査を受けられなくて、皆、難儀しました。しかし、皆さん、鎌倉の小町通りや、駅前広場に、死体が放置されているのを、見ましたか?もちろん、そんなことは、日本ではあり得ませんね。
ところが、皆さん、テレビのニュース映像で、中国の武漢市や、その他の国で、路上に死体が放置されているのを見たでしょう。多分、コロナによる死者です。
日本では、そういうことが起きないように医療制度、救急制度ができています。それをつくり、予算をつけ、維持しているのは、日本政府です。
なぜできないのだ?
たしかに、全員がPCR検査を受けられず、大変でした。保健所が批判されました。
しかし、皆さん、考えてみてください。
仮に、鎌倉が大災害におそわれ、鎌倉市から、教会に「会堂に100人、避難民を収容してくれ」と言われたら、どうしますか?
「20人なら、なんとか」、「それ以上は無理です」「スペースも、トイレも、水や食料も足りません」「世話する人がいません」、と答えるでしょう?そして、準備に最低、2週間は必要ですね。
今回のコロナは、急に起きたことなので、保健所も、病院も急いで準備し、態勢を整えるのに、時間がかかっているのです。医師や職員は死にもの狂いです。
政府官邸や、厚生労働省にいろいろ欠点があることは事実ですが、冷静に、理知的に、批判すべきです。世界的には、日本政府は国民の命を守っているほうです。
米国には、「国民健康保険制度」はありません。低所得の人たちは、医者にかかれず、病院で手術を受けることもできません。
私がかつて、駐在していた、オーストラリアでは、医療保険に加入していないと、救急車が来てくれません。台湾では昔、日本人の小学生が交通事故でクルマにひかれましたが、「身元不明」ということで、救急車に乗れず、放置され、死亡した事件がありました。それ以後、日本人の子供は、首から、身分証明書をぶら下げることにしました。
「とりあえず、救急車で病院へ。費用のことはあとで」という親切な日本の制度は、ありがたいと思います。日本国は人命を後回しにはしていません。
「日本政府はダメだ」と月報に書いた人は、中国なら、その晩か翌日に、警察に連れていかれ、「国家反逆罪」で拷問刑が始まります。数年後に、廃人のようになって、家に帰されます。それに比べれば、日本は、どうですか?日本政府はダメですか?世界で見れば、「いい国」ですよ。安全で、豊かな国です。