maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

背中を押される

 

誰でも、強風に背中を押された経験があると思います。

 

背中を押されれば、軽々と前に進むことができます。

 

よく、芸能人が「ブレークした」といいますが、あれは、何かに「背中を押された」ということです。何か、すごい力によって、背中を押され、舞台の前面に飛び出してしまったのです。

 

一夜にして、売れっ子の、スターです。

 

これが、人生のどこで起きるか、起きないか、わかりません。

 

よく、「自分を信じろ」とか、「夢はかなう」と言いますが、僕は、本当かなあと半信半疑です。ともかく努力を続けよ、ということなのでしょう。

 

自分の力だけでは、ブレークできないと思います。また、自分が願っていたのと違うところでブレークすることもあるでしょう。

 

何か、理屈では説明できない、「強い追い風」が吹き、それに自分の実力がプラスされて、ブレークするのです。

 

「あなたは、どうやってブレーしたのですか」、と問われても、気がついたらブレークしていた、というのが本音でしょう。

 

この追い風のことを「運」という人もいます。正しいです。強風が吹いたのは、運が良かったからです。ある人は「運」も実力のうち、と言いますが、どうでしょうか、良くわかりません。

 

では、どうしたら、強風が吹くのか。興味はそこに来きますね。

 

必ず風が吹くとは保証できませんが、「努力を続ける」「練習を続ける」ことは必要です。毎日、猛練習すれば、風が吹いたときに、より高く昇れます。プロ野球の王選手や長嶋選手のように。

 

同じプロ野球イチロー選手は、毎日トレーニングや練習を欠かさずしていました。プロ野球に入って数年間は、監督から評価されず、下積みでしたが、新しい監督に見出され、それから大活躍が始まります。新監督に評価され、追い風が吹いた、ということです。これは、イチローの「実力」+「運」です。

 

ところが、現実には、来る日も来る日も、トレーニングや練習を続けることは、容易ではありません。しかし、ここに、続ける秘訣があります。

 

それは、「ハードルを下げる」ことです。たとえば、毎朝5km走る人が、ある朝、二日酔いで、今日はサボリたい、というとき、それでも走るためには、

ハードルを下げて、今日は「1km」だけ走ろう、いや、走れないから、「少し歩くだけ」と、ともかく歩き始めるのです。すると、結局、2kmくらいは、走ってしまいます。

 

それでいいのです。次の日は、元気に、また5km走ります。

 

こうして続けていれば、いつか、風が吹き、ブレークするかもしれません。続けていなければ、風が吹くこともないでしょう。

 

運よく風が吹いて走り出しても、真面目に走らないと、風だけではいつか失速してしまいます。プロ野球でも、素晴らしい活躍をしていた選手が、途中でダメになってしまう例はたくさんあります。

 

ところが、あのイチローは、50歳近くなるまで、風に乗って走り続けました。真面目に走ったからだと思います。

 

僕は、今年77歳を迎えますが、今年の春、ようやく少し風が吹きました。今、毎日、エッセイを書いていますが、追い風に乗っているので、どんどん書けます。

 

エッセイ集を人に贈ると、喜んでくれます。書く、読む、を通して、人との距離がすごく近くなりました。うれしいことです。

 

5年前から、止めずに、書き続けてきて、良かったと思います。ブレークしたのは、今年、2020年2月20日です。