maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

日本人と移民(2)

アメリカでは、日本人が想像もできないくらい、貧富の差が大きいです。会社でも、平社員の年収が1千万円とすれば、社長は、何億〜何十億円とか、すごい年収です。そして、株主には、何百億ドルという資産家がならびます。

 日産自動車のゴーン元会長はそうでしたね。すごい年収を取っていました。

 それから、アメリカでは、「階級」がすごいです。「上流社会」があります。WASPと呼ばれるように、英国の子孫・アングロサクソンであることが最低条件で、ハーバード大学を代表とする「学閥」も厳然とあります。

 日本人の移民は、頑張って出世しても、その上流社会には入れません。しかし、日本人は、奴隷のような労働をしながら、自分は小学校しかでていなくても、子供を大学に入れ、弁護士にし、医者にし、徐々に現地社会での地位を高めていきました。この、自分は食うや食わずでも、子供を大学に入れる、というところが日本人のすごいところです。明治の日本人の気概です。

 成功した移民の余生には、2通りあると思います。

 1つ目は、現地に土地と財産を得て、子供たちは現地の人と結婚し、多くの孫やひ孫に囲まれて、幸せに暮らす人。

 もう1つは、前述の人のように財産と大家族を現地にもつのですが、自分は、日本に帰り、ハワイやブラジルにある資産で悠々と暮らす人です。ブラジルに広大な農場・牧場をもち、日本に住み、年に数回ブラジルに行く、という人がいます。

 要は、「骨」を日本に埋めるか、外地に埋めるか、の違いでしょう。

 永住権を得ても、ハワイで「雇われ」で働いている人は、景気が悪くなると、真っ先に解雇されます。また、店を借りて小さなビジネスをしている人も、なかなか大変です。要は、自分で土地と財産と大きなファミリーをもち、現地に根を下ろし、人を雇いながらビジネスをするようになるまでは大変です。うまく行かず、日本に帰ってくる人も少なくないようです。