maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

「書く」ことの素晴らしさ(3)

大学時代の同級生にエッセイ集を送ったら、手紙をもらいました。とても嬉しい内容なので、皆さんとシェアしたいと思い、下記に載せます。

 

公認会計士になったI君のことは、魅力的な人だと思いながら、学生時代も卒業後も、話しかける勇気がなくて、ここまで来てしまったので、その旨の手紙をつけて、エッセイ集を送ったところ、素晴らしい手紙をくれました。

 

大学1年から数えれば、58年が経ちましたが、その時間を、1冊のエッセイが、一瞬にして埋めてくれたという、絵に描いたような美談です。

 

I君の手紙。

「この度は思いもかけずショートスピーチ集をお送りいただきありがとうございました。早速軽妙な文章一気に読みました。様々な実生活の中のちょっとした見方の示唆に感心します。

 貴君とは学生時代もその後のクラス会でも近づきたい気持ちながら

叶わずにいる中でこのようにしていただき感激しています。

 貴君の印象は、英語が出来る、スマート、良い家庭の息子、三菱商事、早期退職金XX万円、フラダンス・・・と華々しいイメージばかりです。羨ましい存在!同じクラスで比較的親しみを感じていたYY君と重なります。

 小生は、両君とは正反対の行動パターンで華々しさとは無縁、どちらかと言えば控えめタイプではないかと思っています。

 ついでながら小生の生い立ちを紹介させていただくと、父親は職業軍人で最後の沖縄戦で戦死、母子家庭3人姉弟の末っ子、小学校は国立音楽大学付属小学校、(真子様の婚約者小室圭の大先輩)、桐朋学園の中・高校と、大学まで全部私立の学校で過ごしました。基本のんびりとした環境で穏やかに素直に育っていったのではないか・・・・・?

 塾(注:慶應義塾大学ではワグネルソサエティ男性合唱団に所属、積極的な活動参加でその後の人生に大きな影響を受けて今日に至っています。今回のスピーチ集で貴君も混声合唱団で活躍しているとのこと、小生も都内でバッハの宗教曲を手掛ける混声合唱団に長年所属し毎週熱心に練習に励んでいます。現在コロナで休止中ですが。

 とても嬉しくてついつい長文になってしまい申し訳ありません。貴君のように万年筆で直筆といきたいところですがとてもとても、恥ずかしながら50年前の公認会計士試験受験以来万年筆の使用は皆無。

 引き続きお体気を付けてお元気にご活躍してください。

 ありがとうございました。

                            (署名)」

 

50余年続いた大学のクラス会も、ついに終了し、もう今後、彼と会う機会はないかもしれませんが、1冊のエッセイ集とこの1通の手紙で、2人は同級生として、十分に心を通じ合うことができたと思います。

 

「書く」ということは、すごいことですね。作家たちが、互いに多くの手紙をやりとりする気持ちがわかります。

 

飲み屋で話し込むのとは、また一味違います。

 

もっと、ずっと「深い」ところで通じ合います。

 

書いたものをプレゼントすると、相手から素晴らしい反応があります。たまたま、僕が俳句に関したことを書いたエッセイをプレゼントしたら、「僕が、同じ季語を使い、かつて城ヶ島で読んだ俳句です」と、関連する自作の俳句を書き送ってくれた友人がいます。

 

こういう交流もあるのかと、感動しました。その友人とは、何回も居酒屋で2人で飲んだ仲ですが、俳句のことなど、1回も話題になったことはありません。

 

年賀状だけの友人にも、エッセイをプレゼントしたら、長い、興味深い手紙をもらいました。そして、彼の作品である、色鉛筆による花の絵まで、添えてありました。