maboroshispeechのブログ

スピーチ形式のエッセイ

僕の「夏」のイメージは、映画でいうと、「避暑地の出来事」(A Summer Place) です。1959年のアメリカ映画。夏休みに、10代の女の子が避暑地で妊娠してしまうという、単純な物語なのですが、とにかく、甘い甘いストーリーなのです。出演するトロイ・ドナヒューとサンドラ・ディーが、とても甘いマスクでかわいい。

 

それであんなに人気のある映画になったのだと思います。それから、主題曲の「Theme from a Summer Place」がこれまた、限りなく甘いメロディーなのです。

 

そんな甘い夏に、僕は鎌倉の海で、人命救助をしたことがあります。

 

大学時代、1人で材木座海岸の沖、100mくらいのところで、1人用のゴムのフロートの上に仰向けになり、波に揺られながら、のんびりしていました。すると、近くで、「ポロッ」というような声が近くでしました。気のせいだと思い、のんびりしていると、また同じような声が聞こえたので、振り向くと、ちょうど人の手が水面に沈むところでした。

 

全身が緊張した僕は、急いで10m先の「現場」に向けて、猛烈にフロートを漕いで行きました。運良く、手の先がまた水面に出たので、それをつかんで、僕のいかだの端をつかませました。男性でした。必死に指先えフロートの端をつかんでいます。上にのぼらせようとしましたが、決してつかんだ指を離そうとしません。

 

仕方ないので、手はそのままにして、僕はカエル足でフロートを押しながら、岸までいき、その若い男性をパトロールの人に引き渡しました。僕はなぜかすごく照れくさくて、黙ってその場を去ってしまったので、そのあと、どうなったか知りませんが、助かったことは間違いないと思います。良かったです。

 

映画の話にもどり、もう1つ、アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」が夏です。1960年の仏作品。先日、テレビで放映していたので、バッチリ録画してあります。近々、「大人」になった自分として観てみます。ストーリーは忘れましたが、なにか、小切手に偽のサインをするような場面が、うっすら記憶にあります。

 

夏、夏、夏、いろいろな夏がありました。