2020-04-19 永遠のテーマ エッセイ 職をかけ、「命のVISA」 4,000枚を書きました。 杉原は、カウナス・中央駅で、「命のVISA」を書き続けました。 ユダヤ人の紳士が、ある日本人に会うため、東京に来ました。ようやく杉原千畝(すぎはら ちうね)を探し出し、1枚の古びた紙片を取り出します。それは、かつて杉原が、リトアニアのカウナスで発行した、「命のVISA」でした。 第二次大戦の最中、杉原が領事代理を務めていた、リトアニアのカウナスには、ナチスに追われ、ポーランドから逃げてきた、多数のユダヤ人がいました。 ユダヤ人たちは、危険の迫るリトアニアから脱出し、シベリアを横断、日本を経て、アメリカやオーストラリアに逃げようとしています。 そのためには、どうしても、日本を通過するVISAが必要です。 領事館の外に群がるユダヤ人たちを見ながら、杉原は迷います。日本はドイツと同盟を結んでおり、ドイツがVISA発行に反対するのは目に見えています。すでに外務省からは、VISAは許可しないと、電報が届いています。 組織に従わなければ、自分の将来を失うリスクがあります。この永遠のテーマは、多くの人の人生を左右してきました。杉原は、一晩考え、人命を救うことを決断します。 VISAを発行するためには、厳しい条件がありましたが、杉原は知恵をしぼり、方策を講じ、本省の反対を押し切って、発給し続けました。 杉原がサインしたVISAにより、6000人もの命が救われたといいます。しかし、戦後帰国した杉原に、外務省の席はありませんでした。 外交官としての杉原の夢は成りませんでしたが、ユダヤ人は、杉原を「諸国民の正義の人」に列しました。 2014年現在、世界49カ国、25,271人の「正義の人」の中で、日本人は杉原ただ1人です。 毎年、イスラエルで多くのユダヤ人が、杉原の墓参りをします。リトアニアのカウナスには、杉原記念館があります。 世界に誇る、偉大な日本人です