アメリカ・ジャズ旅行
アメリカ・ジャズ旅行
大阪支社にいたとき、取引先の社長であるNさんに誘われ、2人で「アメリカ・ジャズ旅行」に行ってしまいました。
Nさんの計画は、アメリカ各地の鉄鋼会社を視察しながら、ジャズの聖地も回ろうというもので、どう見ても、仕事半分、遊び半分です。予想通り、僕の上司の許可はなかなか下りません。
それでも、ようやく許可がおり、大坂から飛んだ僕は、すでに旅行を始めていたNさんと、ニュー・オーリンズのホテルで、合流します。早速2人でフレンチ・クォーターに繰り出し、黒人が、土間のような部屋で演奏する、ディクシーランド・ジャズを聴きました。
テネシー州、ナッシュビルでは、グラン・オール・オプリという大きなショウに行き、西部開拓時代から歌われている、ブルー・グラスを聴きました。
メンフィスでは、ダック・マーチ(鴨の行進)で有名なホテルに泊まりました。毎日決まった時間に、鴨の家族が、ロビーを行進するのです。
そして、観光名所になっている、エルヴィス・プレスリーの家、グレイス:ランドに行き、庭にある墓も見ました。エルヴィスの最期は悲しいものでしたが、超有名になり、ストレスも多かったのでしょう。
テキサス州のダラスでは、故ジョン・F・ケネディ大統領が暗殺された現場に行きました。どこから誰に撃たれたのか、今でも真相は闇の中です。
ニューヨークは、Nさんが若い頃、画家になるつもりで、絵の勉強をしていたところです。しかし、父君の具合が悪くなり、急ぎ大坂に戻り、跡を継いで、鉄鋼会社の社長さんになったのです。
Nさんは、絵を描く他に、ジャズ、写真など、大変趣味の多い方でしたが、2019年に、惜しくも85歳で、ジャズを聴きながら永眠されました。
僕をとてもかわいがってくれて、心から感謝しています。天国でこの文章を読んで頂ければ幸いです。
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